「感性」を工学的にモデル化・データベース化し、人間の生活に役立つエンジニアリングを研究しています。
ユーザに過度な負担をかけることなく、個々の感性に合った情報検索や情報推薦、喜怒哀楽を表現できるロボットの開発など、私たちの暮らしをより楽しくより豊かにする技術です。シニア向けの情報バリアフリー化支援技術の基礎研究としての活用も期待されています。
日常生活を非接触センサ等でモニタリングし、「どこでなにをしているのか」の情報を再利用可能な形式で保管できる日常生活行動情報データベース(=モデル化)を構築し、クラウドサービス上に蓄積した同情報をもとに、行動認識ツールの実現を目指します。さらに、心拍データ等、他のセンサから取得可能なデータを組み合わせ、ユーザの「快適性」も合わせて推測できるようにしたいと考えています。
これらを実現するために日常生活空間においてユーザにあわせた情報サービスやアプリケーションを提供することが可能な情報バリアフリー化を支援するための基盤を構築することを目指し、理論設計だけでなく実空間での実験を通して基盤研究を推進していきたいと考えています。
複数のBLEビーコン(電波発信機)を設置した日常生活行動モニタリング環境において、被験者が持つ計測機器でビーコンからの電波強度を測定し、計測機器を持つ被験者が屋内のどの位置に居るかを推知する位置推定実験を行い、精度評価を行っています。
被験者の回復レベルや歩行特徴に合わせて仮想空間内の視覚フィードバックと聴覚フィードバックを実現するための試作システム開発およびテストを行っています。
感性情報処理、ヒューマン・コンピュータ・インタラクション、計算知能、画像処理、パターン認識、ユーザモデリング、認知心理学,マルチメディアデータベース
博士(工学)。福岡県北九州市生まれ。九州工業大学工学部電気工学科卒。通商産業省工業技術院電子技術総合研究所実習生、日本学術振興会特別研究員、九州工業大学情報工学部電子情報工学科助手、九州工業大学情報工学部知能情報工学科助教授を経て、平成26年より九州工業大学大学院生命体工学研究科人間知能システム工学専攻准教授。平成12年度IPA未踏ソフトウェア創造事業プロジェクト「感性データベースと連携したパーソナルモデル構築ツール」開発に携るなど、“感性”を工学的にモデル化し、人にやさしい情報システムをデザインする研究に取り組んでいる。